2011年10月20日 06:54
東日本大震災の津波被害を受けて、いまだ漁の本格再開ができない中、岩手、宮城両県の漁師の妻たちが、漁網を使ってミサンガを製作し、生活再建の糧にしている。冬支度に向けて、貴重な収入源になっているという。ミサンガは十九~二十五日、そごう横浜店(横浜市西区)で開かれる「宮城県の物産と観光展」で販売される。
ミサンガの名前は「環(たまき)」。赤い漁網の切れ端を中央にあしらい、水色や白色の麻を手編みで縁取っている。
価格は千百円。このうち半分以上が、作り手の収入になる。インターネットや両県のアンテナショップで購入できる。販売開始の五月十一日~九月十日で三万六千個以上が売れ、約二百五十家庭に約二千百万円が支払われた。
企画したのは、現地の放送局と広告会社。放送局の担当者は「仕事を創出するのが持続可能な支援になると考えた。漁が軌道に乗るまでのつなぎになれば」と意義を語る。
同県石巻市の後藤勝子さん(56)と平塚怜子さん(63)は「私たちは、カキの殻むきなどをしているけど、今は仕事がない。厳しい冬に向けて仕事があるのはありがたい」と口をそろえる。
「宮城県の物産と観光展」の問い合わせは、そごう横浜店=電045(465)2111=へ。 (志村彰太)